「群体事件」と呼ばれる大衆による騒乱事件が多発した2004年。李一平 ( 2002 ) は、突発的な騒乱について、
1.社会構造の転換が引き起こす矛盾が根本的原因、
2.幹部による官僚主義と腐敗行為が政治的要因、
3.大衆の民主意識の増大に比して低い参政能力と法制観念の希薄が文化的要因、
4.基層組織による社会コントロールの弱化、社会的権威システムの崩壊が体制的根源と分析している 。※4
草の根新世代組織は、農民工の権益保護や住民の社会参加啓蒙活動など、政府のなし得ない領域へその活動を広げアクターとして政府の信頼を構築しつつあり、老舗団体は、カリスマ性、メディア力、経験を生かし、アドボカシー性の高い活動を展開し始めた。
共産党がかつて経験したことのない社会不安と外圧は、民間組織を「社会との調和」の強力なパートナーへと急速に押し上げつつある。
2004年は民間組織にとって‥と歴史に刻まれることになるのだろうか。まずは今年の動向が楽しみである。
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