3.地道なマメさが実を結ぶ、"つなぎ役"としての役
本プロジェクトにおける協働コーディネーターが関わる場面ふたつめは、協働プロジェクトの実施段階である。協働プロジェクト実施にあたり、重要な役割は進行管理である。実施の段階では、進捗状況を日米NPOが互いに報告しながら、密なコミュニケーションをとることを心がけた。とはいえ実際には、海外との連絡は時差の関係でなかなか思うように連絡できず、早朝の電話会議をしたことが何度もあった。E-メールは時間に左右されないという点で非常に便利であったが、物事を決める際にはメールでは何度もやり取りをしなくてはならず、意思決定までに非常に時間がかかった。
その他、実施段階に入るとプロジェクトに直接関わる人以外にも多くの人が関わるようになる。たとえば、NPO研修・情報センターとエコロジーセンター以外のスタッフ、ボランティア、公開講座参加者などである。それらの人すべてを協働コーディネーターが把握し、連絡調整することは難しい。適材適所で人材を活用し、役割分担することも協働コーディネーターの重要な仕事だと感じた。
本プロジェクト実施において、より効果的・効率的な協力を得られるように段取りをつけるためにも、NPO研修・情報センターとエコロジーセンターの中心となるスタッフに対して、進捗状況や共有すべき事項について情報共有していくことが、協働コーディネーターの重要な役割ではないかと思う。そのためにも、協働コーディネーターは、人とのコミュニケーションを面倒がらずに、最低限のマメさが必要ではないかと思う。
また、実施したプロジェクトの詳細についてはここでは省略するが、簡単にその概要を述べると、「日米エコ・コミレス協働プロジェクト」は、以下の2つの柱からなる。
1)米国にて、日本でのコミュニティ・レストラン・プロジェクトのノウハウを用いた「エコ・コミレス」プログラムとNPOのエコ・コミレス運営のノウハウを紹介する米国開催「エコ・コミレス」ワークショップの実施
2)日米交流の機会として、日米NPOの協働で進める「エコ・コミレス」プロジェクトのプロセスと成果を共有、社会化し一般に情報公開する場として、日本開催エコ・コミレス公開フォーラムの開催
これら実施にあたり、資源(人・モノ・資金など)を上手く活用できるコーディネート力が必要である。協働コーディネーターは、つなぎ役としての役割を担っているのである。
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