ヨットの基本的な事柄を紹介します。(初心者向けです)

目 次 * おもしろ辞典
* 各部の名称
* 海上の交通ルール

おもしろ辞典

Port Side  直訳では港側ですが、左舷のことです。中世ヨーロッパのバイキング船を思い浮かべてください。バイキング船は、現在の船の舵と異なり、船尾に近い船体の横に板(Steering Board)を出してこれを舵にしていました。この Steering board は右舷に付けていましたので、右舷を港の岸壁に付けることができず、必ず左舷を岸壁に付けていました。このことから左舷を港側:Port Side と云うようになったそうです。
 現在、商船等では港の事情、効率等から必ずしも左舷を付けなくなりました。しかし、飛行機では今でも必ず左舷からの乗り降りが行われたいます。
Starboard Side  上記のように、Steering Board は右舷につけられていました。この Steering Board が訛って Starboard =右舷となったと云う説があります。
Head  皆さん何だと思いますか。船のトイレです。船で一番乗り心地の悪い所は船の先端で、昔の帆船はここにトイレを設置していました。このためトイレを Head と云うようになりました。
面舵(おもかじ)取舵(とりかじ)  面舵(おもかじ)は右に向きを変えること、取舵(とりかじ)は左に向きを変えることです。では何故面舵、取舵と云うのでしょう。
 昔の日本(中国)では方位を十二支で表現していました。東は卯(う)西は酉(とり)です。船の中では、舳先の方向を北(子)としていましたので、右は卯、左は酉となります。右の卯のことを卯面とも云い、これが転じて右に転舵することを面舵と云います。また、酉の方向(左)に転舵することを取(酉)舵と云うようになりました。
子午線(しごせん)  子午線とは、北極と南極を通る大圏(Great Circle)のことで、経線とも云います。では何故子午線なの!
 昔の日本(中国)では方位を十二支で表現していました。北は子(ね)南は午(うま)です。もうおわかりでしょう。子(北極)と午(南極)を通る線であることから子午線と云います。
 ついでに、昔は時刻も十二支であらわしました。お昼の十二時は午(うま)です。従って、午の前を午前、後を午後と云います。
Bridge  日本語では艦橋又は船橋と言います。操船と見張りをする部屋があるところですが、何故「橋」と言うのでしょうか。この語は割合新しい言葉で、蒸気船が出来たころの言葉です。
 当初の蒸気船は、スクリューではなく、船の両サイドの水車のような大きな輪(外輪)を回して進む方式でした。操船は船の後ろで行いますが、見張りはマストに登って行っていました。外輪船になると、左右の外輪に板を渡し、この上から見張りを行うようになりました。この外輪を橋渡ししたところからBridgeとなったわけです。
各部の名称
1 Starboard(スターボード):右舷
2 Port(ポート):左舷
3 Stern(スターン):船尾
4 Mid Ship(ミッドシップ)
5 Bow(バウ):船首
1  Spreader(スプレッダ)
2  Side Stay(サイドステイ)
3  Back Stay(バックステイ)
4  Boom(ブーム)
5  Cockpit(コックピット)
7  Tiller(ティラー):舵柄
8  Rudder(ラダー):舵
9  Keel(キール):竜骨
10 Hull(ハル):船体
11 Doghouse(ドッグハウス)
12 Pulpit(パルピット)
13 Fore Stay(フォアステイ)
14 Mast(マスト)
1 Main Sail(メインセイル)
2 Jib Sail(ジブセイル)
3 Spinnaker(スピンネーカ)
4 Spin Pole(スピンポール)

海上の交通ルール

海上での交通ルールは、海上衝突予防法によって規定されています。
この海上衝突予防法は、国際ルールに従って定められた法律で、
国内外の全ての船舶に適用されるものです。
ここでは、ヨット(帆船)を中心に航法の概要を紹介します。
詳細については専門の書籍等を参照願います。
帆船の定義  帆船とは、帆だけで航行している船舶を云います。エンジン(動力)を搭載している船でも、エンジンを停止して帆のみで航行していれば「帆船」となります。機帆走しているヨットは帆船ではなく動力船です。当然、ジェットスキーは動力船です。
帆船優先  動力船と帆船では帆船が優先します。従って、動力船は帆船に進路を譲らねばなりません。ただし、例外(漁ろうに従事する船舶等)がありますので注意する必要があります。
 とは云っても、大型の動力船は小回りが利かないので、ヨットが避けることが間々あります。
帆船同士の航法  2隻の帆船の風を受ける舷が異なるときは、右舷に風を受ける(スタボードタック)帆船が優先です。左舷に風を受ける(ポートタック)帆船は、右舷に風を受ける帆船の進路を避けなければなりません。
 2隻の帆船の風を受ける舷が同じときは、風下の帆船が優先です。風上の帆船は、風下の帆船の進路を避けなければなりません。
動力船同士の
航法
 海上では右側通行です。2隻の動力船が向かい合っているときは、互いに右に舵をきって避けます。
 上記以外のときは、右側の動力船が優先です。左側の動力船は,右側の動力船の進路を避けなければなりません。


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