砥峰A(972.2m) 神河町 25000図=「長谷」 砥峰高原の初夏に咲く
登山口には古い道標が立っていた。そこから、山道が雑木の中をゆるく上っていた。 登山道に入って、まず見つけたのがマムシグサ。フタリシズカは、まだ白くて小さな花をつけていた。 あたりは、ミズナラやコナラやクリの林。落葉が深く積もり、歩くとカサカサと音がした。タニウツギのピンクの花は、もうほとんど枯れていた。 広い斜面を登っていった。左の小さな谷が少しずつ深くなっていった。 標高860mあたりで、雑木からスギ・ヒノキの植林に変わった。木立の中に薄く踏み跡がついていた。幹に巻かれた赤いテープと、ときどき現れる道標が道を教えてくれた。 標高895mで、明瞭な尾根に出た。尾根には、赤茶に風化した露岩が表れていた。
傾斜が急になると、黒い樹脂製の階段が現れ、送電線巡視路となった。
来た道をそのまま自然交流館へ下った。バイクや車でやってきた観光客がちらほらと高原を散策していた。
西の木道から高原に入った。ススキやワラビが木道の高さまで伸びている。ホソイやマツバスゲも混じっている。
木道から、高原中央の広い道に出た。その道を上に向かった。この道にも、チョウやトンボがときどき飛んだ。
東屋の先の林に少し入ってみた。林の入り口に、ショウジョウバカマが実をつけていた。林内にはシダが多かったが、その中にキランソウが這い、フタリシズカが咲いていた。
5月最後の日だった。この日、全国の気温はどんどん上がって、大分県日田市では全国で今年初の猛暑日となる35.1℃を記録した。しかし、標高800mを超える砥峰高原には、初夏にふさわしいさわやかな風がそよいでいた。 山行日:2014年5月31日
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砥峰高原駐車場〜砥峰登山口〜砥峰山頂〜とのみね自然交流館〜砥峰高原東屋〜砥峰高原駐車場 | ||||||||||||||||||||||||||
とのみね自然交流館の手前に十字路があるが、そこを北に100mほど上ったところに砥峰登山口がある。登山道は始め明瞭で、曲がり角には道標もあるが、やがてその道は送電線巡視路につながっている。 巡視路が山頂の南斜面を西へ下り始めたので、道を離れて斜面を登ると尾根の小ピーク(955m)に出た。尾根の土塁を東に進むと、砥峰の山頂(972.2m)に達した。 登った道を下り、砥峰高原に整備された木道や散策路を歩いた。 |
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山頂の岩石 後期白亜紀 峰山層 ホルンフェルス(火山礫凝灰岩起源) |
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砥峰高原には、花崗閃緑岩が分布しているが、その北に位置する砥峰には火山礫凝灰岩起源のホルンフェルスが分布している。この地層は、砥峰高原の花崗閃緑岩の母岩にあたり、花崗閃緑岩をつくったマグマが貫入したときに、その熱によってホルンフェルス化したものである。 山頂に露頭はないが、現地のものと考えられる転石が多数存在する。いずれも白っぽい岩石で、赤色や茶色の部分がまだらに入っている。 双眼実体顕微鏡下で、石英・長石・白雲母・ザクロ石が確認できた。火山岩塊や異質岩片を含む火山礫凝灰岩が、貫入してきたマグマの熱によってホルンフェルス化し、それがさらに熱水変質を受けた岩石であるように観察された。 |
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