砥峰高原H(800m) 神河町 25000図=「長谷」 草原にうずまる繁松鉱山の跡 砥峰高原の標高900mに近いところに、繁松鉱山があった。この鉱山に関する史料は地元にも残されておらず、ここに鉱山があったことを知っている人もほとんどいなくなった。
雨上がりの朝、砥峰高原には薄日がさしていた。朝の空気は、湿ってはいるが冷んやりとして肌に気持ちがよい。
最初の二股を過ぎると、川幅がしだいに狭くなった。岸を深く削ったところは、頭が地面より低くなり、ちょっとした探検気分。倒木があったり、岩が重なっていたりで歩きにくいところは、岸に上がってススキを分けた。 この二股をどちらに進んだのか、思い出せなかった。そこで、始めに左に進むことにした。水の流れはさらに細くなって、ほとんどススキやヒメシダに隠れるようになった。流れの周りには湿地が広がり、地面はぬかるんでいた。
谷に下りてみると、細い水の流れがあった。先ほどの二股の反対側の水流である。この流れを遡った。このあたりは、ウツギがまだ白い花をつけていた。
斜面に裸地が広がり、その上部に石垣が残されていた。地面にはたくさんの丸い石が転がっている。大きさはよくそろっていて、直径6cm程度。数100個、いや1000個は超えているだろう。
周囲を歩いてみたが、坑口などは見つからなかった。この鉱山は、いつ頃開発されて、いつ頃まで稼行されていたのであろうか。どのような人たちがここで働いていたのであろうか。
山行日:2015年6月20日 |
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山頂の岩石 後期白亜紀 川上花崗岩 | ||||||||||||||||||
砥峰高原は、花崗閃緑岩でできている。今回歩いたコースでは、小川の水底に一ヵ所、この露頭が見られた。 繁松鉱山跡で見られる「よせき」から、ここでは砒素が採掘されていたと考えられる。鉱山跡から、黄鉄鉱を見つけることができた。 「よせき」や「砒素」の採掘については、「兵庫県神河町の琢美鉱山の砒素鉱床」を参考にして下さい。 |
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