砥峰(972.2m) 〜砥峰高原 神河町 25000図=「長谷」 雨の砥峰高原に逝く夏 砥峰高原の中ほどにある東屋に着くと、雨が降り出した。朝から幾度かぱらぱらと降ってきたが、どうやら今度は本降りになったようだ。底が暗くぼやけた雨雲が北から走り寄ってきて、雨脚は一気に強くなった。 この東屋のベンチに座り、しばらく雨宿りをした。ここからは、砥峰高原の下半分が広く見渡せる。夫婦二人連れのハイカーが、この雨に遭って、あわてて車に戻っていくのが見えた。 標高972.2mの砥峰は、高原からの比高が170m程度。高原の北に、小丘のように底の広い三角形で立っている。登山路はないが、送電線の巡視路と南西尾根の林界の伐り開きを利用して、30分程で上ることができた。 最初の小さなコルで尾根を離れ、南へ植林の急坂を下った。やがて、下の谷に沿った杣道が現れた。この道を途中まで利用し、最後は赤い実をつけたガマズミのかかる沢を辿って、車道に飛び出したのだった。 高原の天気は変わりやすい。再び降り出した雨の中、東屋を出た。目の前に広がる砥峰高原は、ゆるやかに緑の起伏を繰り返している。
今日は、台風の通過による北風がこの高原にも吹いていた。雨にぬれた体に、この風は少し肌寒かった。 山行日:2002年8月20日
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砥峰高原駐車場〜とのみね自然交流館前〜送電線鉄塔(Ca810m)〜鉄塔下尾根(Ca860m)〜(南西尾根)〜砥峰山頂〜(北東尾根)〜Ca890mコル〜(谷を南へ)〜車道〜とのみね自然交流館前〜砥峰高原〜東屋〜砥峰高原〜駐車場 | |||||||||
2002年の春、砥峰高原の入り口に「とのみね自然交流館」がオープンした。ここを拠点として、高原の散策が楽しめる。 |
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山頂の岩石 後期白亜紀 峰山層 ホルンフェルス(火山礫凝灰岩起源) | |||||||||
砥峰高原には、花崗閃緑岩が分布している。これは、白亜紀後期〜古第三紀に形成された山陰帯の花崗岩類の一つであり、川上花崗閃緑岩と呼ばれている。 新鮮な岩石は、砥峰の南麓、砥峰高原入り口手前の車道で見られる。灰色中粒の花崗閃緑岩で、主に石英・斜長石・アルカリ長石・黒雲母・角閃石から構成されている。 その北に位置する砥峰には火山礫凝灰岩起源のホルンフェルスが分布している。この地層は、砥峰高原の花崗閃緑岩の母岩にあたり、花崗閃緑岩をつくったマグマが貫入したときに、その熱によってホルンフェルス化したものである。砥峰の山頂付近の岩石は、真っ白に変質した岩石で一部に黄鉄鉱が観察された。 ※ 詳しくは、岩石地質探訪「砥峰高原の地質と地形」へ |
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