小沼の滝 豊岡市滝 25000図=「豊岡」 柱状節理の玄武岩を水落ちて涼しく 梅雨も明けていないのに真夏の日差し。豊岡の夏は暑い。
その後、竹野の海岸に出て「はさかり岩」などを見たあと、原田さんは小沼の滝に誘ってくれた。
小川に沿ってコンクリート舗装の細い道が民家の間に延びていた。道の脇に、まだアジサイが紫の花をつけいている。八重咲きのクチナシからは甘い香りが漂ってきた。
鳥居をくぐり、玄武岩を並べてつくられた古い石段を登る。玄武岩はどれも40~50cmの大きさで、四角形や五角形や六角形。柱状節理で割れた岩の柱が、横にも規則正しく割れてできた。
小川に沿った道をゆるく上っていった。小川の水量は豊かで、足元にひんやりとした冷気が流れた。
二つのお堂の間を進むと、ゲートを抜けたときから見えていた小沼の滝が間近に迫った。落差は10mほどか。滝は、柱状節理の発達した玄武岩でできていた。ここから円山川をへだてた玄武洞と一連の玄武岩溶岩である。今から160万年前の火山噴火によって流れ出た。
滝の右手の崖にも玄武岩の柱状節理が見られた。植物の緑におおわれているが、垂直に立ち並んだ岩の光景は迫力があった。
滝の下には浅くて小さな滝壺があって、そのすぐ後ろに大きな玄武岩が転がっていた。滝の上から落ちてきた岩で、丸い形をしている。この岩に座ると、ほとんど真上から滝の水が落ちて来る。細かい水滴がミストとなって、冷気とともに体を包んでくれた。う~ん、これはいい気持ち。しばらくそこに座っていた。
滝から下っていると、若いご夫婦とすれちがった。お父さんが赤ちゃんを抱いて先を行き、少し離れてお母さん。不動尊へお参りに来た地元のご夫婦だろうか。振り返り見たそのうしろ姿は、木々の葉色を映して緑に染まっていた。
山行日:2024年7月6日
滝公民館~ゲート~滝神社~小沼の滝(往復) |
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滝公民館の前に車数台置ける駐車スペースがある。ここから、小沼の滝までは約400m(道標に300mとあるが・・・)。コンクリート舗装の道が滝の下までついている。 | |||||||||||||||||||||||
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滝の岩石 第四紀更新世 アルカリかんらん石玄武岩 |
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光にかざしてルーペで見ると、斜長石と輝石の小さな斑晶がキラキラと反射する。かんらん石は、風化した灰色の玄武岩の方が観察しやすく、透明感のあるオリーブ色~あめ色の斑晶が確認できる。磁鉄鉱がふくまれていて、フェライト磁石がくっついた。 この玄武岩は、円山川の向こうの玄武洞から続く玄武洞溶岩である。160万年前(第四紀更新世)の火山噴火によって流れ出た。 玄武洞溶岩は、見事な柱状節理や玄武岩の名前の由来となったことが知られているが、世界で初めて地磁気逆転が発見されたことでも有名である。兵庫県の県の石(岩石)でもある。 |
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