賀 嶋 山 (141.4m) 竹野町 25000図=「城崎」 |
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兵庫県の最北端・猫崎半島は、その姿が猫の姿に似ているところから名付けられたという。賀嶋とも呼ばれ、もともと島であったものが砂州によって陸につながった陸繋島(りくけいとう)である。砂州の北側は、竹野浜海水浴場として夏は多くの人たちで賑わっている。 駐車場から賀嶋公園までは、コンクリートの遊歩道が整備されている。
賀嶋山を下ったコルあたりがもっとも狭く、左右の岩壁が急傾斜で海に落ちている。コルを少し上ったところから、道は96mピークの東を巻いて岬の先端に伸びていた。葉脈と葉柄が赤いアカメガシワや、葉裏が銀白に光るマルバグミを見ながら急斜面を下りていった。最後の草木を分けると、真白い灯台が眼下に迫り、その後には青い海が大きく広がっていた。
山行日:2003年9月16日
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駐車場(左図の「現在地」)から賀嶋公園までは、コンクリートの遊歩道が整備されている。賀嶋公園から北に向かうとすぐに道は不明瞭となる。しばらく草木を分けて進むと、すぐにまた明瞭な道が現れた。 |
■山頂の岩石■ 新第三紀鮮新世 照来層群高山累層 宇日流紋岩 賀嶋山をつくっているのは、照来層群高山累層に属する「宇日流紋岩」である。表面は暗灰色であるが、内部は緑色を帯びた灰色である(風化の進んだ部分は褐色)。1〜5mmの大きさの石英と長石、それらより小さな黒雲母と角閃石を斑晶として含んでいる。長石・黒雲母・角閃石は、ほとんどが変質して他の鉱物に置き換わっている。石基はガラス質で、大変硬い岩石である。この流紋岩には柱状節理が発達し、露出する岩石もその節理を反映した形となっている。 賀嶋山より南の賀嶋公園あたりは、宇日流紋岩の基盤となっている北但層群豊岡累層の凝灰岩・凝灰質砂岩・礫岩・凝灰集塊岩などからできている。 岬の西海岸に下りて海食棚の上を歩くと、これらの地層や豊岡累層と宇日流紋岩の不整合、あるいはポットホールなどが観察される。 詳しくは、地質岩石探訪「不整合が2つに分ける、猫崎半島の地質と岩石」へ |