ヒシロガ峰②(1042m)~平石山③(1061.2m) 神河町 25000図=「神子畑」「長谷} 千町峠から秋深まる尾根を平石山へ map 千町峠から神河町と朝来市との境界尾根を、ヒシロガ峰、平石山へとたどった。
ほとんど歩く人がいないのか尾根道は、草木にうずもれようとしていた。早くもアセビを分けて歩かなければならない。
1033.8m三角点は、小さく開かれていた。地面をヒカゲノカズラが這い、そのまわりをアセビがぐるりと取り囲んでいる。さらにその上をコナラが囲んでいた。
ヒノキ林に入ると歩きやすくなったが、またすぐに雑木林に変わった。左に深い谷をへだてて、段ヶ峰からフトウガ峰を経て達磨ガ峰にいたる尾根が雄大に延びていた。遠くの千ヶ峰は、ここからも稜線の気品あるラインを見せていた。
枝をかき分け、くぐり、またいで夢中になって前へと進む。アセビは道跡も埋め尽くしていたが、それでもこの一筋だけが進むことができた。アセビの海を15分ほどで脱出し、アセビの向こうに見えていたウリハダカエデのの下にたどり着いた。
ヒシロガ峰を下ると、右手に伐採地が広がっていた。伐採のあとには植林もされて、伐採地全体がシカよけネットで囲まれている。ネットに沿って尾根を進んだ。
1040mピークが近づくと左からもシカよけネットが迫り、ネットとネットにはさまれた狭い回廊を進んだ。
平石山の山頂手前で木々が途切れ、あたり一面をコバノイシカグマがおおっていた。その中に一本の小道がついている。道は、アセビの林を避けるようにぐるりと回り込むように山頂に向かっていた。
平たい台地上の丘に出た。夏、ここで青々としていたイワヒメワラビはすっかり茶色。丘の向こうに、秋色に染まった段ヶ峰からフトウガ峰への稜線が水平に線を引いていた。
それでもやっぱり最後はアセビをこいで平石山の山頂へ。三角点はアセビの中。そこから7、8m離れたクリの木に一枚の山名プレートがかかっていた。
22年前の春、ここを何人かといっしょに歩いた。そのときは、アセビもずっとまばらで小さく、白くて小さな花をつけていた。尾根には山上の庭園風の風景が広がり、どこだって歩けた。 山頂のクリの木の下で、そのときの風景やいっしょに歩いた人たちのことを思い出していた。
山行日:2023年11月1日
行き:千町峠~1033.8m三角点~ヒシロガ峰(1042m)~1040mピーク~川上越~平石山山頂帰り:平石山山頂~川上越~林道終点~千町峠 map |
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千町峠からヒシロガ峰を経て平石山まで尾根を歩く。尾根道がアセビに埋もれているところが何ヵ所かあった。 帰路は川上越の先で、ヒノキ林をトラバースして林道の終点に出る。そこから林道を歩いて千町峠へと戻った。 |
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山頂の岩石 峰山層 溶結火山礫凝灰岩 |
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淡灰色~淡褐色で強く溶結した岩石である。石英・斜長石・カリ長石の結晶片に富み、黒雲母と普通角閃石をふくんでいる。石英は最大5mmと大きく、岩石を割るとギラギラと光って目立つ。頁岩の岩石片をふくんでいる。 尾根の西の林道上では、一部の区間で花崗閃緑岩が見られた。 |
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