チャートの色いろいろ 明石川 (神戸市玉津町) 硬くて、透明感があって、さわってみるとつるっとしていて・・・。チャートはその硬さのために、水で運ばれても最後まで残りやすく、川原の石としてよく見られます。 1.色いろいろ チャートの色はいろいろ。明石川で見られるのは、黒色、暗灰色、淡灰色、白色。赤色、茶色、こげ茶色、褐色(赤茶色)、オレンジ色、ピンク色。緑色、緑褐色、緑灰色、青灰色・・・ぐらいでしょうか。 チャートは、主に微小な石英からできています。石英だけからなら白色。赤鉄鉱がふくまれると赤っぽくなります。黒雲母や炭質物などがふくまれると黒っぽくなります。緑泥石や緑簾石がふくまれていると緑っぽくなったりします。
2.石の模様 チャートには、黒や白の細いすじがたくさん入っています。チャートには細かいひび割れがたくさんあって、そこに石英が再結晶すると白いすじになります。黒雲母が再結晶したり炭質物などの不純物が入ると黒いすじになります。白や黒のすじは、平行に入っていたり網の目のように入っていたりして、チャートの表面にいろいろな模様をつくっています。 石英脈の幅がある程度厚くなると、そこが周囲よりさらに硬いために飛び出しています(下の写真の左下)。 また、層状チャートの縞模様がそのまま小石の縞模様になっているものもあります(下の写真の中段、右から2つ目)。
3.パーカッションマーク 小石は、川を流れる間に他の石に何度もぶつかります。ぶつかったときに、爪をたてたような細かい円弧状のひび割れができ、これをパーカッションマーク(衝撃痕)といいます。 チャートはパーカッションマークができやすい岩石です。 下の写真、左はルーペで見つけた小さなパーカッションマークです。円弧状の亀裂が、重なり合いながらたくさんついています。右は、大きなパーカッションマークで、亀裂からはがれ落ちたために表面に凹んだ痕があります。
チャートは、石英質の殻をもった放散虫が深海底に降り積もり、長い年月をかけて岩石になったものです。その放散虫の化石が、丸い小さな粒としてとしてチャートの表面で見られることがあります。 明石川のチャートでは、下の写真のように淡い褐色のチャートでいちばんよく見られます。1つの放散虫の大きさは、直径が約0.2mmです。
5.長い旅の果て ■ 場 所 ■ 神戸市玉津町 |